弾腿と八卦掌 

 太我会が発足して二年がたち、新しい練習体系が体の中で融合してきた感じである。弾腿が八卦掌と違和感なく練習できるようになってきた。八卦掌の要領で、弾腿を練習できる感覚である。


 弾腿の蹴りは本来「寸腿」といって、地面すれすれを蹴る。これを左右繰り返しながら進んでいくと、なんのことはない走圏と同じである。


 以前、太我会で弾腿の練習が始まったとき、「こんな力の拳法・・・・・」といってやめていった人がいた。八卦掌を気功や健康体操としてやるのなら別だが、武術として考えているのなら、弾腿もできないで八卦掌ができるわけないだろう、と思うのだが。


 長拳系の武術も八卦掌と似たような技が多く、これらの大きく伸びやかで、馬歩弓歩がはっきりした練習をすることで、八卦掌の理解が深まり、体力もつき、技の裾野が広がった。別の拳法を練習しているという感覚はなくなり、自分の中で融合してきたのである。


 考えてみれば、尹福はもともと羅漢拳の達人であり、尹派は現在でも羅漢拳を大切にし、練習体系の中心に据えている。やはり、馬歩弓歩といった姿勢や発勁がはっきりした点、腿法が豊富な点など、八卦掌を補う意味が大きいのだと思う。


 走圏については、熊趟、龍趟と、孫先生の趟泥歩、走圏がこれもまた融合してきた感覚がある。もちろんそれぞれ練功の目的が違うので、意識の上では明確に分けて練習しているのだが、自然と融合してきたのである。


 内家拳の練習体系について、感じるところの多い最近である。