"Ultimate Experience MP3"の2枚目をようやく聞き終えた。1枚目は少し聞いただけ。録音が古すぎておもしろくないのだ。最初の方はなんとクォリーメンの音源なのだ。

 2枚目は212曲が15時間46分28秒も収録されている。10〜20分のライブは一曲としてカウントされているから、実際の曲数はもっと多い。

 2枚目の収穫は、ジョンがBilly J. Kramer & the Dakotasのために書いた"Bad To Me"と、Fourmostのために書いた"I'm in Love"という曲のホームデモがあったこと。

 "Bad To Me"はリンゴ以外の三人で演奏しているようで、ジョンとポールがユニゾンで歌い、最後にコーラスになる。ジョージのリードギターも入っているようだが、ポールのベースは入っていないようだ。Peter Asher & Gordonのために作った"World Without Love"に似てるかも。

 "I'm in Love"はジョンがピアノを弾きながら歌っている。ちょっと切ない曲。
 Lennon & McCartneyが他のアーチストのために作った曲はこれ以外にも何曲かあるが、すべてこうしてデモ演奏があるはずだと思う。彼らは楽譜を書けないから、演奏して「こんな感じ」とテープを渡したはずなのだ。

 ジョンの遺品の中にもあるはずなのだが、発表されていない。ソロになってからのホームデモはずいぶん発表されているから、きっと著作権の問題だと思う。ビートルズ時代の曲はすべてLennon & McCartneyの名義になっているから、ヨーコの独断で発表できないのだろう。ポールはヨーコが大嫌いだから、これはポールの生きているうちは聞くことができないかもしれない。

 "Ultimate Experience MP3"は、1枚目を除いてもあと6枚。一枚に16時間近く入っているから、100時間以上も楽しめるのだ。何が出てくるか、楽しみ。

「Ultimate Experience MP3」というとんでもないCDを手に入れたことは以前に書いた。ビートルズの公式盤全て、及びこれまで出回った主要なブートほとんどを音源にし、録音された日付順に整理した、全2000曲以上を収録した八枚組のCD-ROMである。

 これはすごい。確かに究極の体験だ。まだ一枚目の半分ほどを聞いただけだが、もうお腹いっぱいである。助けて、という感じだ。
 同じ曲が、レコーディング時の別テイクで何パターンも収録されている。スタートでつまづいたり、コーラスでジョンが歌詞を間違えたり、コードを間違えたり……。そして咳払いや、曲間のおしゃべり、ベースやギターのフレーズ練習など、いろんな音が入っている。まるでスタジオにいるみたいだ。

 録音の途中を聞いて、感じたことがある。それはスタジオ録音のむずかしさだ。

 私は大学生の頃、スタジオの夜間受付のバイトをしていた。それで深夜の誰もいない録音スタジオに入ったことがある。レコーディングルームは窓のない密閉された広い部屋。天井も高い。周囲を全て吸音材で囲まれているから、音の響きが一切なくて、奇妙な感じである。閉鎖されて、夜か昼かもわからない。

 スタジオは非常に寂しい空間なのである。あんなところでノリのいい演奏をしろといわれたって、そうできるものじゃないな、と思った。ビートルズを始めミュージシャンたちは、あんな無機質な環境でノリのいい音楽を生み出すのだ。
 レコーディングの合間の音を聞いていると、その落差が感じられて興味深い。

 録音の合間にも、ポールはベースを弾き倒している。じっとしていない男だ。なんだかハミングしながらベースの早弾き。ジョージも気になるフレーズを練習している。ジョンもノリを確かめるようにギターでリズムを切っている。

 そうかと思うと、DJとの会話が混じるBBCのライブ、金切り声の中でのライブなど。初期の同じ曲を色々な形で何度も聞かされる。

 楽しいのだが、濃い。それですぐお腹いっぱいになってしまうのである。

 じっくり聞かないともったいないので、少しずつ味わって聞いていきたいと思います。

 The Beatles、Thirty Daysを聞いている。同じ曲をいやになるほど何回も演奏しているぞ。少しずつ各パートが固まっていくのがわかっておもしろい。たとえばGet Backでは、ジョージは毎回違うソロを弾こうとする。ジョンは大まかに決まると、それを核に少しずつノリでアドリブ。ビリー・プレストンのオルガンは固まったらソロも大体同じだ。

 合間にはワシの好きなYou Realy Got A Hold On Meなんかもやっていて、嬉しい限り。ちゃんとした演奏じゃないんだが。ポールの歌うStrawberry Fieldsもなかなかいい。ポールはジョンのファンだな。でも、ジョンの歌うOh! Darlinもあるらしい。MP3コレクションのどこかにあると思うが、探すのが大変だ。

 MP3は全部で3セットあるわけだが、どれもWINAMPIEを使うことが前提になっている。ブラウザを使って曲を探し、プレイできるらしいのだが、ワシのMacではまったく機能しない。しかたなく、MP3ファイルだけHDにコピーしてiTunesで聞いている。しかし、曲名がTrack 06とかでなんだか全然わからない。困ったものだ。2000曲以上あるUltimate Experienceなんかどうするんだよ。

 Ultimate Experience! MP3

 Ultimate Experience!というMP3に手を出してしまったぞ! これは、ビートルズの公式盤13枚(だったか)に加え、現在手に入るほとんどのブート音源をMP3でCD-ROM八枚に収めたもの。収録曲なんと2000曲以上。
 ブートの名盤「Ultra Rare Tracks」は全六枚のうち最初の二枚を持っておらず、安いモノを探していたし、「KINFAUNS TO CHAOS」も欲しかった。最高のパフォーマンスといわれるKARLAPLANSTUDIONのライブも欲しかった。
 これらが全部入っているのである。ちなみに内容はここ→ttp://fileunder.fc2web.com/beatles/experience.htm

 これでしばらくブート買うのはやめよ。キリがないから。

 披頭士とは、The Beatlesのことですな。台湾では披頭四と書かれていた。そうすると、「随它去...原音重視」はわかるでしょう。そう、「Let It Be...Naked」です。

 披頭士はピートウシーとかピートウスーと発音する。披頭四はピートウスー。この字を選んだのは、あのマッシュルームカットから来てるんでしょうか。「回来」は「Get Back」。ちなみに「Dig A Pony」は「小馬」、「Two Of Us」は「我們両个」。

 王様は「Help!」をそのまま「助けて!」と訳して歌っていたが、中国に王様がいたら「Get Back」を「回来! 回来!」と歌うんだろうか。回来はホエライと発音するんですが。タモリあたりにやらせるとおもしろいかも。「Help!」は「救命(ジウミン)!」か。

「Thirty Days」というMP3のブートを手に入れたことは以前書いた。その後、「John Barrett's Cassette Dubs」という同じくMP3のブートを手に入れた。これはJohn BarrettというEMIのエンジニアの持っていたテープが彼の死後流出したとされるもの。一枚のCDに112曲入っている。年代もバラバラに入っているが、音もいいし、聞いたことのないテイクが多く、おもしろい。「Thirty Days」も聞き終わっていないのに、これにもはまっている。

 もう一枚、いや三枚のMP3は「Lost Lennon Tapes」。CDなら20枚になるこのシリーズは、ジョンの残した自宅でのプライベート録音を、ヨーコが選んでラジオで放送したもの。それがブートで流れたわけである。これはまだほとんど聞いてない。まあ、ゆっくり楽しみますわ。

 今日もビートルズ「Thirty days」を聞いてご機嫌。就寝前の至福のひとときである。CD20枚分はあるので、一日や二日では聞けない。聞いたことのないテイクが次々と出てきて、こたえられないものがある。ジョンもポールもふざけまくっている。

 とくにポールの方が羽目を外すとすごいみたいだ。ドイツ語が入るGet Backはどうみても薬物の影響下にあるとしか思えないハチャメチャぶり。ゴリラみたいに吠えながら叫びまくっている。まさかこれが世に出るとは思わなかっただろうな。

 おお、今流れているのは、ジョンが変な巻き舌で歌っているAcross The Universe。ポールもノリノリでコーラスをつけている。いいなあ。

 「朝日の当たる家」も歌ってるぞ。しかし、ジョンもポールも完全に酔っ払いの親父状態だ。ひどいもんだな。リンゴはまじめにドラムを叩いているというのに。