今月は遠距離通勤サラリーマン状態なので、blogを書いている暇がない。早く書かないと忘れてしまうので、とりあえず陳太の大会レポートから。

 大会名:第2回陳氏太極拳協会 表演大会
 日時:2004年11月28日(日)AM9:45〜PM3:50
 会場:BumB(東京スポーツ文化館
 主催:陳氏太極拳協会

 招待老師の表演は午後2時スタート。以下、敬称略。
1. 蛭海悠司、政良治、福田聖一 工字伏虎拳
  五関浩三氏のお弟子さんたち。洪家拳の基本拳路である。意外に長い套路だった。

2. 大貫修 呉式太極拳 陸瑶さんの御主人。武術のことは実によく研究されている。これは李秉慈老師の套路だろうか。よく練れていて、隙のない表演だった。初めて表演を拝見したが、実にお上手であった。

3. 北條英浩 孫式形意拳 この人はお昼ご飯の時に向かい合わせに座ったので、少しお話をした。冗談ばかり言っている人だが、あとから聞いた話によると中国に十年くらい留学して武術を学び、ひたすらに練功に励む練習の虫のような人だそうである。形意拳はよくまとまっていて、同行したM氏は「形意拳はこうじゃなくちゃな!」とうなっていた。

4. 栗小平、閻洪亮、閻子丹 三人対棍 親子三人でほほえましい表演。82年の全国表演賽で女子全能冠軍に輝いた山西の名選手、栗小平は日本にいたんだな。1983年発行の『武術』3号の表紙を飾った方です。

5. 廖峰 洪門羅漢拳 湖北出身の廖峰さんが南拳を表演。最近は北方の選手でも南拳を練習するみたいですね。

6. 川口賢 長護心意門拳 長らく見たいと思っていた川口さんの少林拳。凶猛としか言いようのない動きはすごい。この人も中国、それも少林寺で10年修行した人。30歳前後のこの世代は、中国で10年修行した人がごろごろしている。まったく頼もしい限りだ。

7. 黒井貴哲 陳式新架式 陳家溝の人かと思うほどのレベルの高さ。この人も中国10年留学組だそうだ。

8. 五関浩三 洪家拳 套路の最初で「えへへへー」という発声で場内が沸く。これも練功の一種だそうだ。南拳は勉強不足で理解しがたいが、五関氏はものすごく強いらしい。これからは南拳も勉強してみたい。

9. 陸瑶 陳式新架二路 田秋信に学んだむずかしい套路を身につけている陸さん。形意拳と大桿子で練った功夫はさすが。

10. 廖峰 48式太極棍 短め・太めの棍で、ゆっくりした套路。このくらいの長さの棍なら、刀・剣・棍・槍の四大武器すべての技法を盛り込むことができるんだな。おもしろい套路だと思いました。廖峰さんの功夫はさすがです。
 この人は表演長拳の名手であるだけでなく、伝統の太極拳、さらにはテコンドーも高段者。それらが矛盾なく一人の女性の中でまとまっているわけで、古い世代には想像できない人種が育っているようです。

11. 安田洋介 陳式太極拳24式 高名な安田さんの表演を初めて見た。この人も中国留学10年。陳家溝に10年住み込んで習うなんて、われわれの時代には考えられませんでした。陳家溝に入るのさえ、公安の許可が必要だった時代でした。

12. 栗小平 飛虹剣 82年のチャンピオンだから40歳くらいだと思うのだが、側空翻→劈叉といった大技もきちんとこなす。しかも絨毯なしだ。功夫に衰えなし! 日本に留学し、子供を産み、育て、教室で指導する。これだけでも大変だと思うが、この技術レベルを維持されていることに感動しました!

13. 北條英浩 孫式太極拳 この人の太極拳は、見る人の目を釘付けにして離さなかった。場内ひとつとして物音なし。

14. 陳沛山 陳氏太極拳小架式 建設会社に勤め、設計の仕事をされながら会をここまで大きくしてこられた陳沛山氏はすごいと思う。物腰や話す内容も陳一族の貴公子という感じだ。こんな老師が日本に定住して下さっていることは、まったく幸運だと思う。
 今回の表演は、後ろを向いて終わるもの。たぶん、まったく改変していない古い套路だと思う。貴重なものを見せていただきました。