ビートルズ、セルジオ・メンデス、羽賀道場 

 締切で忙しいが、こういうときにストレス解消のために買い物をしてしまう。しばらく買うまいと思っていたビートルズのブートをネットで入手。"Another Tracks Of The Beatles" というこれまたMP3である。

 "Beatles For Sale" "A Hard Day's Night" "Help!" "Rubber Soul" "Revolver"の五枚のミックス違い、アウトテイク等を集め、CD10枚分を一枚に収めてある。

 "Ultimate Experience"に収録されているものがほとんどだと思うが、編集が違うのでまた違った楽しみがある。

 といいつつ、今セルメン(Sergio Mendes & Brasil'66)を聞いている。やっぱりいいなあビートルズは元気を出すにはいいが、原稿を書きながら聞くのには向いていない。セルメンはベストものが1200円くらいで買えるので、ぜひ試してみてほしい。小学六年の時、初めて買ったレコードがセルメンの二枚組ベストだった。お店は三宮星の電社2F。今を去ること34前の話である。

 セルメンを好きになったのは、オヤジの影響。我が父はジャズファンで、いろいろなレコードを持っていた。私はその中でおもしろそうなもの、ということでA&MのベストものLPを聞いていたのだ。

 その中にはセルメンの他、ヒットを出し始めたばかりのカーペンターズバート・バカラックディオンヌ・ワーウィックハーブ・アルパートとティファナ・ブラスなどが入っていた。

 セルメンが気に入った私は、歌詞カードを見ながらポルトガル語の歌を歌っていた。マシュ・ケ・ナダとかパイス・トロピカルとか。ポルトガル語は英語以上にローマ字読みに近いから、小学生でも何とかなるのだ。

 ビートルズは小五のときにテレビで"A Hard Day's Night"の映画を見て印象に残り、滋賀にある祖父母の家で叔母のレコードを聴いてはまった。"Oldies"というベスト盤である。若い人は知らないかもしれないが、ステレオは四本足の一体型で、レコードは赤い半透明の盤、レーベルはEMIでもアップルでもなく、Odeonであった。

 今でも覚えているのは、"She Loves You"を聞いたときの奇妙な感覚。ドコドン、ドコドンというドラムで始まり、男たちによる甲高いコーラス。奇妙だが、なんだか惹かれたのを覚えている。

 などと書いていたらいろいろなことを思い出したが、そんなことを書いている場合ではない。締切なのだ。

 今作っているのは例によって学研のムック。今回は昔ながらの稽古法を残す剣道の羽賀道場、フェルデンクライス、東大の教授で身体運動科学の研究者などを取材。

 羽賀道場は興味深かった。今の剣道がいかにいろいろなものを失っているかが、よくわかった。左右自在の片手打ちがすごい。こんなことをするのは武田惣角だけだと思っていたが、そんなに珍しいものではなかったようだ。12月13日に発売なので、ぜひ読んでください。

 先週も練習に行けなかったが、明日も行けそうにない。来週も予定が入っている。残念だなあ。しこしこと自主練に励もう。