悩みをなくす方法 



 毎月第一金曜日は、下高井戸の栖岸院で念仏会がある。朝9時に始まり、午後四時まで。午前中に勤行が二回、昼休みをはさんで勤行と法話、最後にまた勤行。

 平日なのでなかなか参加できないが、先週の念仏会には法話が始まる頃から参加できた。

「問題に対処する、という生き方をしていると、次から次へと問題が出てきて、ずっと問題に悩まされ続けることになる。阿弥陀如来にすべてを預けることができると、問題そのものがなくなってしまって、悩みがなくなるのです」

 品愚上人のそんなお話が印象に残った。

 状況は同じでも、人によって不幸と感じたり幸福と感じたりする。だからすべては自分の心しだいだ、というのが瞑想の考え方だ。

 もちろん、考え方が人生に大きく影響を与え、人生を変えていくことも確かである。しかし、どんな状況であっても人は幸せになれる、というのもまた真実のようだ。生老病死をはじめとする四苦八苦の状態にあっても、心は幸福に満たされている。

 いきなりこんなことをいっても理解できない人も多いだろうが、ブッダをはじめ多くの賢者は同じことを言っている。

 品愚上人の法話を聞いていて、そんなことを思った。上人は本当に悩みがなさそうで、いつも楽しそうなところがすごいと思うのだ。