常松先生との再会 

 今日は10数年ぶりに通背拳の常松勝先生にお会いできた。通背拳のDVD制作のお手伝いをすることになったのだ。私の仕事は解説ナレーションの原稿作成。今日は先生と一緒に映像を見ながら説明をお聞きした。

 改めて常松先生は名人だと思った。日本に住んでおられるとはいうものの、現代中国を代表する名家の一人といって過言ではないと思う。

 先生の通背拳は威力を内に秘め、軽霊を旨とするため、はっきり威力を表に出す拳法に比べてその良さがわかりにくい。しかし、柔らかいが故のすごさがあるのだ。先生は今年で62歳、お孫さんが五人もおられると聞いてびっくり。外見も動きもとてもそんな年齢に見えないのである。正直に言って、20年あまり前に初めてお会いしたときと動きは変わっていないのだ。

 常松先生も再会を喜んで下さり、私が解説原稿を担当することになって安心したとおっしゃって下さった。

 通背拳の技を見て思ったのは、八卦掌との共通点の多いこと。手法、招法はほとんど同じではないだろうか。八卦掌で習った技やコンビネーションがそのまま出てきて、映像を見ながら常松先生に手を取って解説してもらった。役得というしかない。

 手法、招法が共通するなら、違いは練功法。われわれの八卦はとにかく走圏である。背中はまだおかしくて手は痺れたままだが、練習はかなりできるようになってきた。というわけで、今日も走圏します。