自己流の落とし穴

 背中が痛くて調子が悪く、昨日は練習を休んでしまったなあ。今日は少し痛み方が変わってきて、原因がわかった。八卦を始めてから何度か痛くなった、左肩胛骨の内側だ。槍の練習で痛めたところが、また出てきたのだ。

 もう四、五年前だと思うが、ある人が武道具店に樫の七尺棒を二本注文し、私に一本くれた。木刀の素振りにはまっていた私は、これで槍の練習を始めた。正式に習ったことがないので、見よう見まねでラン、拿、扎を繰り返していた。

 何週間か少しずつ繰り返して動きに慣れてきたので、ランや拿を抖勁で振る練習をしていた。拿でさっと相手の槍を封じる練習をした翌日、背中が痛くなったのだった。その痛みは三ヶ月くらい続いた。

 ここにも書いたが、忘れていたその傷が、八卦掌の走圏を始めてから何度か痛んだ。治りきっていなかった背中の筋が引き伸ばされ、気血が通ることによってまた痛んだようだった。

 最近、龍形のねじりが少しわかってきたので、ときどき練習していた。熊形走圏はほとんどねじりを入れていなかったので縦方向のストレッチだけだったのが、龍形走圏でねじりが加わり、また古傷が刺激されたようなのだ。

 今回感じたのは、この傷は思っていた以上に深く、背骨にまで影響していたということ。ゆるめて重い棒を振ったので、胸椎がずれ、周囲の筋肉や腱、靱帯が損傷したまま固まっていたようだ。龍形のねじりでそれが動き出したのだと思う。

 十字式でずれをある程度戻してもらったので、骨のずれの違和感が減り、以前感じていたのと同じ痛みがあることがわかった。

 おかげで今回はいろいろな経験ができた。走圏の不思議な効能。自己流の危険性。十字式健康法の体験。

 そういえば、今朝フトンの中でまどろんでいると、尾骨から頸椎まで、背骨の両脇の筋肉が活動しているのが感じられた。二日前に受けた十字式の施術がまだ効いていて、凝り固まっていた部分に気血が流れて動きだし、ゆるんでいく感じがした。

 十字式も興味深いなあ。