昨日は娘二人を連れて、「スター・ウォーズ シスの復讐」を見に行った。

 結論を言うと、非常によかった。

 新シリーズはエピソード1を見て失望し、エピソード2は見に行かなかった。エピソード4からずっとロードショーで見てきたが、エピソード1のハリウッド的な俗悪さに辟易したのだ。特にジャージャービンクスの下品な騒々しさにはうんざりした。

 しかし、エピソード3は名作であるとの評を読み、行きたくなった。テレビでエピソード2を見て予習をし、スター・ウォーズファンである長女もぜひ行きたいというので、彼女が時間の空く昨日まで待ってやっと行ったのだった。

 CGのクォリティや描写の細かさは、前2作をもしのぐ。金と手間のかけ方はハンパではない。宇宙戦では無数の戦艦や戦闘機が画面を埋め、何がなんだかわからないほどだ。コルサントのスピーダーの混雑ぶりもそうだが、私にはちょっとやりすぎに思えるが。旧三部作程度の方が落ち着いていていいと思う。

 いちばんよかったのは、ダース・ベイダーとなったアナキンが絶望の叫びを発するシーンだ。全六作で見てきたアナキン=ダース・ベイダーの悲しみと絶望がどれほどのものか、一瞬で表現されている。

 その他にも、30年近くにも及んだシリーズの集大成にふさわしい見どころがたくさんり、ルーカスの思い入れと執念を感じた。

 「サーガ」と呼ばれるだけあってこのシリーズは多くのテーマを含んでおり、見るものにさまざまな感慨を引き起こす。新聞で読んだ評にもあったが、この作品はイラク戦争への痛烈な批判にもなっている。

 また未来の戦争の姿も予見されている。ドロイド(ロボット)を使った戦争などは、すでに始まっている。アフガンでは、米軍の無人機によるミサイル攻撃でアルカイダの幹部が殺されているし、イラク戦争では無人偵察機や偵察・爆破ロボットが活躍している。

 クローン兵士などは、現実の軍にとっても実に魅力的だろう。文句を言わずに黙々と戦い、死を恐れない。給料はいらないし、死亡補償金もいらない。そしていくらでも補充がきく。遺族もいないから悲しむ人も抗議をする人もいない。

 クローン兵士の寿命はどうなるのだろう。年をとったらどうするのか。または怪我をして戦闘不能な身体になったら? 人間とみなされない彼らは、廃棄されるのだろうな。

 ドロイド兵やクローン兵は、あと20〜30年もすれば実用が可能になるだろう。アメリカやイスラエルあたりはすでに研究を進めているかもしれない。

 クローン兵の人権が議論される、そんな世の中は見たくないなあ。