サッカーワールドカップの予選で日本が勝てば喜び、負ければ意気消沈する。
 中国や韓国で不当な(と思われる)反日デモが起きれば腹が立ち、日本の映画が国際的な賞を取れば誇り高い気持ちになる。
 日本の領海を不審船が侵犯し、首尾よく逃走すれば無性に腹が立つ。撃沈すれば胸がすっとする。

 これは、個人のエゴと国家のエゴを同一視しているからである。エゴというのは拡張すれば快感を感じ、縮小すると不快になる。

 かくいう私も先ほど日本×北朝鮮戦を見ていたクチだ。日本が勝って嬉しかった。

 サッカーで興奮しているくらいならまだいいが、国家間の出来事でほんとに頭に血が上るのはまずい。とくに最近は近隣国と摩擦が多い。

 国連の常任理事国加盟問題など、日本が加盟するなら拒否権を発動する、なんていう国も出てきている。反省が足りない、と苦情を言われ続ける。戦争に負けたからこんな目に遭うのか。まともな扱いを受けるには、もう一度やって勝つしかないのか。こう思う人がだんだん増えるんじゃないかと心配である。

 国家エゴと個人のエゴは別なのである。瞑想を学んでよかったと思えることのひとつが、このことを理解できたことである。