昨日は浅草橋で取材。スポーツトレーナーをされている方にお話をうかがった。スポーツだけでなく、武道や舞踊の研究も深い方で、私自身も非常に参考になった。

 立ち方については以前ここにも何度か書いたが、昨日はその考え方がより深まった。北派中国武術にはない四股立ちや三戦立ち、肩を出さない南拳の突きのメカニズムなど、自分なりに納得がいった。

 「股関節の外旋」といわれてもピンと来なかったのである。ナンバ歩きの理論では、「二軸理論(左右軸理論)」を提唱されている京都大学の小田先生や、久留米高専の木寺先生たちは、ナンバと股関節の外旋の関係を重視されている。

 これがずっと謎だった。外旋というのは、要するにガニ股のことである。なぜガニ股がいいのか。

 ガニ股といえば、示現流がおもしろい歩き方をする。これも長い間謎だった。ガニ股でペンギンみたいなヨチヨチ歩きで立木に走り寄るのだが、これも立ち方、歩き方を学ばせ、訓練するものだったのだ。

 今日取材したM氏は、まずバレエの立ち方について説明してくれた。バレエは、爪先を外に180度開いた姿勢で立ち方の基本を身につけさせる。以前書いたように、これが太腿前面の筋肉・大腿四頭筋ではなく、太腿の裏側・大腿二頭筋ハムストリングス)を使って立つための練習だ。

 この姿勢を実際に指導されて、なるほど、と思った。さらにM氏が言うには、大臀筋を使ってはいけないのだという。もっと下部の筋肉を使うのだと教えてくれた。

 そして、空手の四股立ちがこの立ち方を習得しやすいこと、三戦立ちも本来はこうした筋肉を使って立つべきであることを教えてくれた。

 こうした筋肉を使い、肩を出さない三戦立ちからの突きをてのひらで体験させてくれたが、確かにボクシング的なパンチとは違ったキレと鋭さがあった。

 こうした立ち方、筋肉の使い方を記事にまとめる予定。楽しみにしてください。