戴氏のことを書いていて、思いついたことがあった。

 戴氏の武術を趣味の範囲と決めつけていたが、あの高度で実戦的な武術を見ていると、趣味の範囲を越えているとしか思えない。あれは実用のものだったのではないか。

 戴氏は代々商人だったようだが、実は保[金票]も兼ねていたのではないだろうか。保[金票]とは警備員兼運送屋のような職業で、[金票]とは金へんに票で手裏剣のこと。パソコンでは出ないのでとりあえずこう書いている。

 普通、金持ちは自ら保[金票]はやらないのだが、戴氏の場合何らかの理由で自らも体を張って商売をしていたのかも知れない。そのお陰で商売にも成功した、ということは考えられないだろうか。ただの武術好きなら一代で終わるはずで、それが何代も続いたのは明確な理由があるはずだと思うのだ。

 戴家の武術はなぜ気功と融合した独特の発展をしたのか、なぜ富豪でありながらあそこまで武術を研究したのか。「武術」はなくなってしまったが、「心意ロード」のテーマとしてM氏とK氏にはぜひこの問題を追いかけ、発表してもらいたいものである。