その他
夏目漱石はロンドンに留学中、神経症を患った。
コリン・ウィルソンも神経症だ。執筆障害らしい。
倉田百三も神経症になり、森田正馬の治療を受けた。
私の場合、森田正馬の扱う「森田神経症」の範囲に入る。森田神経症にかかる人には特定のタイプがある。森田正馬はそれを単に「神経質」と呼んでいる。
私は森田療法の互助組織である生活の発見会
の会員だが、メンバーを見ていてすぐに気づいた共通点がある。それは、地味、真面目、繊細、ということだ。
初めて茗荷谷にある本部に行って「初心者懇談会」なるものに参加したとき、私は非常に懐かしい感じがした。昔はこういうタイプの人をよく見かけたのに、最近見ないなあ、そんな感じである。
みんな服装も地味。どちらかというとダサイ。派手でおしゃれな人はまずいない。寅さんの映画に出てくる、タコ社長の印刷工場で働いている人たちを連想した。そんな人たちが一堂に会しているのを見て、非常に安心したのを覚えている。
森田正馬は日本初の精神科の教授であり、鈴木大拙とも友人だった人。彼の創始した森田療法は、海外でも内観とともに数少ない日本発の心理療法として、広く知られている。
森田療法は禅療法とも呼ばれていて、一種の気づきに導くやり方をとる。禅の用語も使われることがある。
鈴木大拙を読んでいると、森田の使っている言葉と共通するものが多いことに気づく。いつかそのあたりも調べてみたいと思っている。