葉底蔵花と走圏

 この三週間ほど、背中を痛めて練習は最小限しかできない。痛みはかなりおさまって、左手の指先が少し痺れるだけになった。しかし首もちょっとおかしくなってきたし、腰痛も出てきた。

 この間の木曜日は、二回目の十字式に出かけた。前回とは違う先生で、やり方や感触も少し違った。「お仕事はデスクワークですか。かなり曲がってますね」と言われてしまった。長年の無理がたたって、けっこうガタが来ているようである。精神的なものも影響しているかもしれないなあ。

 十字式のあと、教室に行って練習。ここ何回か、走圏の時に先生が体の形を直しながらしばらく一緒に歩いてくれる。しかし、これが何を伝えようとしているのかよくわからなかった。しかし、そのあと単換掌の復習をしているときに少しわかった気がした。

 先生が葉底蔵花を行うのを見たときに閃いた。走圏の時も同じように体重移動するべきではないか、そう思った。

 本当にそういったことを伝えようとしたのかどうか定かではないが、これは自分なりに貴重な発見だった。このやり方で厳密に走圏をしてみたところ、三歩しか歩けなかった。キツイのである。

 このやり方だと、確かに泥沼に足をとられながら歩くような感じである。だが、果てしなく単調でキツイ。

 しかし、実はこうやって功夫を養うことだけがうちの八卦掌のとりえなのである。これがないと、ただの中華風盆踊りだ。いや、実際それで終わる可能性も高いのである、自分の場合。冷静に考えれば、44歳から始めて不規則な生活で練習時間も足りないわけだから、そうならない方がおかしいのだ。

 あきらめるつもりはない。できるだけあがこうと思っている。