今日も練習だったが、昨日ひいたカゼの影響で体力がなかった。ちょっと練習したらすぐ疲れてしまう。

 今日は改めて八卦掌の基本姿勢の解説があった。二人ペアになってお互いの姿勢をチェックしたが、相手の先輩が上体の力みを指摘してくれたのが役に立った。入門したときから繰り返し上体のゆるめ方とその重要性を教わっているのに、またいつの間にか硬くなっているのだ。

 含胸して上体をきちんとゆるめると、私の場合、胃がつかえているのがわかる。胃は気が滞りやすく、胸の気が丹田へ降りていくのを妨げるのだそうだ。上体をゆるめることを意識し、胃部のつかえを通すように心がけていると、ゲップが何度も出た。練習が終わる頃には胃の重さが消えていた。

 走圏を練習していると脾胃の経絡が開き、胃腸が丈夫になるという。われわれの日本の先生も、仕事のストレスで胃潰瘍と十二指腸潰瘍を繰り返していたのが、八卦を始めて二年ほどですっかり改善し、食欲が旺盛になったそうだ。その他、長年の無理な練功が祟って全身故障だらけで歩くのにも不自由を感じていたものが、すっかり健康になり、それどころか諦めていた武術の真髄を手に入れることができたのである。

 「内家拳の真伝に出会うのは、宝くじに当たるようなものだ。求めて努力しているだけでは無理で、縁と運の両方を必要とする」という言葉が実感を伴っていて、印象に残っている。