先日ピュアハート・クラブチベットのヨガ、クムネイのワークショップを開いた。

 ヨガというからハタヨガのようなものを想像していたが、中国の気功や導引に近いものだと感じた。

 自分一人ではできないほど、実にゆっくりと動く。どの瞬間もゆるがせにしないよう、緻密に、ていねいにゆっくりじっくり動いていく。ゆっくり動いているつもりでも、講師の舞原さんの方を見ると自分の方がずいぶん先に行ってしまっている。いかにふだんの動きが粗雑か、よくわかった。

 クムネイを体験して、中国武術の慢練はやはりここから来たのだな、と確信した。チベット仏教道教のこうした行法と武術を両方学んだ人が、心意や八卦といった内家拳を生みだしていったのだと思う。

 クムネイをやっていると、頭も体も信じられないくらいゆるんでくる。本来はこの状態で瞑想するわけである。瞑想するためにヨガがあるわけだ。

 クムネイは、アメリカに亡命して指導しているタルタン・トゥルクが伝えているもの。「若さの泉」のチベット体操といい、チベットには気功、導引の源流になったものが今でも伝わっているようだ。この方面の研究も進むといいな。