練習会レポート 



 先週の金曜日は、李先生が指導する会員対象の練習会に参加した。

 今回の練習会は基本に絞るとは聞いていたが、みっちりとしごかれてしまった。

 最初の熊形走圏だけで、約一時間。なかなか逆回りの指令が来ないので、片側だけで疲れてしまった。

 この春から、後ろ足を上げてから前に運んで降ろすまでを、ゆっくり、はっきり行うようにしている。これにより虚実がより明らかになり、筋を鍛える効果も高まると思う。

 だが一本足で立っている時間が長いので、非常に疲れる。また、上体を放鬆させて中盤に効かせる度合いも高まってきたし、提肛しながらより沈ませるよう、遠藤先生に手直しを受けたので、よりきつくなった。

 夏目さんがblogで「ソケイ部のヘコミ」と書かれていたが、何のことだろうと思っていた。最近わかったのは、私なりにいうと「提肛しつつも沈める」ということ。提肛というのはこの場合、肛門を締めると同時に上へ向けるよう骨盤を傾けること。

 こうすると体が浮き気味になるので、提肛しつつも、仙骨あたりを真下に落とす感じである。この時、鼠頸部の状態はというと、へこんでいるように見える。夏目氏はこの事をいいたかったのだな、と納得。

 「ソケイ部のヘコミ」というと、股関節の問題と思う人もいるかもしれない。もちろん股関節も関係するだろうが、私にいわせればこれは骨盤の問題だと思う。提肛して丹田の受け皿を作りつつも、しっかり沈める。そういう意味があると思っているのだが。

 さて、足をしっかり浮かせ、さらに提肛しつつ沈め、ゆっくり歩くとこの上なくキツイ。がんばっていると李先生がやってきて、両肩の脱開と含胸について指導してくれた。

 肩については、単なる放鬆と脱開は異なるということ。含胸については、三年学んできて初めて受けた注意だった。

 「胸全体をゆるめろ」といいながら手本を示してくれ、また両肘をもっと張るように、と指示を受けた。

 この通りにすると、上体はかなりアップライトとなり、それまで作っていたバランスがかなり変わってしまった。上体が今までより立ち気味になるので、端腰や提肛といった要求が守りにくい。

 ということはよりパワーが要求されるのだが、上体はもっとゆるめろとの指示。なかなか苦しいところなのである。

 長い一時間が過ぎて五分ほど休憩したら、次は単換掌。これも長かった。40分はやったのではないだろうか。扣歩から擺歩するときの前手の位置と動かし方、葉底蔵花の前手と視線の関係など、細かい指導が有益だった。

 個人的には、今まで気づかなかったまちがいを指摘していただいた。

 精誠八卦会も創立してまもなく三年、会員のレベルも少しずつ上がってきたせいか、先生の教え方も初心者向けのやさしい教え方から少し厳しくなってきたように思う。外国のお客さん相手の甘い指導ではなくなってきたのだ。

 特に今回はいつもより表情も厳しい感じだ。走圏を直してもらっているときも、すべて見透かされているような気がする。どれくらい練習したか、どれくらい手を抜いているか、どれくらい理解しているか。全部見られているのが何となくわかった。

 また、李先生がいると無意識のうちにいつもより力を出して理想に近づけようとしてしまうから、掌門人の迫力というものは恐ろしいものだな、と思う。