劈掛と八卦

先日、鉄掃把という劈掛拳の技を練習していたら、いろいろと気づきがあった。学生時代(1982年頃)に劉雲樵の劈掛掌の基本を少しだけ習ったのだが、その技と同じであることに気づいたのだ。


外見はずいぶん異なっているのだが、やっていることは同じだった。鉄掃把は用法そのままの形が技になっている。しかし、劉雲樵の劈掛掌では明確に馬歩をとり、様式化されているので用法がすぐにはわからないようになっているのだ。だから、一見して鉄掃把とは違う技に見える。

この動画の32秒あたりに出てくる技が、該当のもの。残念ながら名称は知らない。


この技では右手を水平に振り回しているが、振り回さずに右手を胸のすぐ前を通って左脇へ差し込むように行う技もある。そのやり方だと、下盤の形が少し異なるだけで、八卦の単換掌と同じ技になる。左手が上、右手が下になる点も、共通している。


他にも、劈掛拳(通備拳)の基本である単劈手と、八卦掌の穿掌、蓋掌の単操がよく似ていること、反背捶の単操とまったく同じものが劈掛拳にもあることなど、程派の八卦と劈掛は本当に共通点が多い(ちなみに、単換掌は尹派にはないようである)。