伝統武術はガラ拳である?

 最近ガラケーなる言葉をよく聞くのでなんだろうと思っていたら、「ガラパゴス携帯」の略だそうだ。スマートフォンを「スマホ」と呼ぶのに対して、従来の日本の携帯電話を「ガラケー」と呼ぶようになったのである。


 日本のケータイは国際規格に合わせず独自に進化したので、ガラパゴス島の生物のように独特の機能を持つようになった。海外には通用しないが、日本人にとっては便利な機能がてんこ盛りなのである。


 先日、そういえば伝統武術もガラケーのような所があるな、と痛感した。ある部分は驚異的な進化・深化を果たしているのに、別な部分はまったく欠落していたりするのである。


 簡単に言えば、離れて戦う武術は接近戦に弱く、接近戦の得意な武術は離れて戦うのが苦手。それも、古い武術ほどそれが極端なのである。都会に出た系統は、欠点が補われていたりするのだが、源流ほどガラ拳の傾向が強かったりする。


 ガラ拳だからといって馬鹿にできないのだが、本人たちが気づいていないことも多く、また日本人も気づかずに習っていることも多い。


 この問題は簡単には語り尽くせないので、いずれ機会を見てまた書いてみたい。