近況報告

 2月6日以来、下高井戸にある本應寺にお世話になっている。住み込んで浄土宗の修行をしつつ、自分の仕事をさせていただいている。

 朝は六時前に起きて勤行、その後はお寺の内外の掃除。十時に朝昼を兼ねた食事をとり、その後は種々の作務。五時半から夕の勤行、それが終わると食事の準備、食事、後片付け。

 自分の仕事ができるのは、その後である。時には徹夜しなければならないときもある。基本的に文字通り「小僧」なので、何かと大変だった。

 何しろ五十歳を過ぎている。作務は肉体労働も多い。最初の三ヶ月はお寺のイベントのための建物の建築手伝いで、元大工である先輩僧侶の助手をやった。

 この人は典型的な気むずかしい職人気質の大工さんで、現場仕事の経験が全くない私は実に苦労した。

 二つしか年の違わない私が何もできないということがよく理解できないらしく、すぐに怒り出すのである。十代ならともかく、いい年をした男が基本的な大工仕事もできないのはバカに違いないと思ってしまうようだった。

 なんとかその仕事は終わり、その後は比較的平穏な生活が続いている。

 武術に関しては、生活が全く変わってしまったので、遠藤先生の教室にも通えなくなり、自分の練習もあまりできていない。唯一、毎週水曜日の夜に行っている指導だけは続ける許可をいただいた。

 お寺に入って一ヶ月、震災が起きて日本の状況も大きく変わってしまった。これからここに書く内容も以前とは変わってくるだろうが、これからも少しずつ更新していきたいと思う。