尹派の走圏

 林陽さんの講習会でもうひとつ印象に残ったこと。それは、穿掌の構えで走圏するとき、ねじりが非常に大きいこと。一般的には構えは円の中心に向けるのがオーソドックスだと思うが、尹派ではできるだけ後ろに向ける。林さんは真後ろまでねじっている。

 これはもちろん鍛練の意味もあるし、後ろの敵に備える練習という意味もあるようだ。

 止まっていれば左右とも真後ろを向くことができたが、歩くとなるとむずかしい。左回りの時、突然、左脇腹に電撃が走った。軽い肉離れのようである。

 T氏によると、そちらの側の体が硬いのではないかという。

 確かに、走圏をしているとき、左回りの時だけ腰椎がこすれ合うようなゴキゴキという音がするのだ。硬いのを無理して回そうとするため、肉離れになるわけである。

 この一点を取っても、自分には貴重な気づきだった。他派との交流は、本当に貴重な経験だと思う。