武術専門誌の復刊計画

 福昌堂の「武術」が休刊になって約二年。BABの「武藝」はもっと長く出ていないようだ。中国武術の専門誌がなくて寂しい、という声はよく聞く。

 私は10年前にフリーとなって以来いろいろなジャンルの仕事をしてきたが、今になって改めて思うのは、やはり自分にとって武術の雑誌を作るスキルがいちばん高いのだな、と実感している。

 最後まで「武術」を作っていたM氏やライターのN氏、中国に十年間留学して貴重な研究を続け、企画「心意ロード」の取材対象発掘、人脈作りに貢献したK氏。彼らは20年間続いた中国武術専門誌という媒体が生み出した、貴重な専門家である。

 こうした人材は一朝一夕では養成できない、貴重な存在なのだ。しかし雑誌がない以上、他の仕事をせざるを得ない(していない人もいるが・・・・・)。何年かこの状態が続けば、もう復帰もむずかしくなるだろう。

 中国武術を教えている先生方にとっても専門誌の存在は必要だろうし、愛好者も情報を得られる場が欲しがっている。

 そういうわけで、中国武術の専門誌が必要だと思うのだ。出版不況は進むばかりなので日本国内だけを考えていてはむずかしいかもしれないが、DVDも製作し、中国語版、英語版という展開を考えていけばビジネスとして成り立つと思う。

 というわけで、どこかの出版社、あるいは個人で「中国武術の雑誌やDVDを出してみたい」という方はいらっしゃらないだろうか。中国には大金持ちが続出しているそうだから、そうした試みに興味を持つ人がいてもよさそうなのだが。自国の文化である武術を世界に紹介することに意義を感じるお金持ち。そんな人、誰か紹介してくれないでしょうか。